ジギングロッドの製作
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自作ロッドの良い所は、自分に合った長さ調子を作り出せる点にあります。
自分の手の長さを考慮して、ピッタリなサイズに仕上げたロッドは、多少
持ち重りが増えていても、とても楽に扱えます。そして製作は、凝らなけ
れば意外なほど簡単です。(凝るとキリがありませんが・・)
材料費は約1.3万円程度(接着剤・ハケ等の間接費含む)、2-3本作れば
1万円/本 以下に押さえることも可能です。
(もちろん高級材料を使用すれば、単価は上がります。)
また、自作ロッドで釣るのは、いろんな意味で面白いです。
皆さんも一度作ってみては如何でしょうか?
- 材料1 :
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- エポキシ系接着剤:硬化速度の違うものを2種用意した
方が作業は楽です。私は5分硬化型と45分硬化型を使用しま
した。ホームセンター(ヒラサダ)で購入。
- ウレタンクリア:2液性のもの。
ホームセンター(ヒラサダ)で購入。
- 車用カラースプレー:ホルツ社のウレタン入りの物が良
いようです。カー用品店(オートバックス)で購入。
- 工業用(燃料用)アルコール:接着・塗装をする前にボロ
布にアルコールを染まして油分を拭き取ります。
薬屋(スギ薬局)で購入。
- ホットメルト:釣り具屋(上州屋等)にあるホットグルー
で良いです。(俺はたまたま持ってたホットメルトEVAを使用)
- 凧糸:太さの違うものを2種類用意。俺はφ1.5位とφ0.8
位の水糸を使用。ホームセンター(カーマ)で購入。
- 材料2 :
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- ブランク:グラスソリッドの安い奴を使用。
今回はφ2.0-12(穂先-根元)、長さ150cmの奴を使いました。
無垢の状態と仕上がり後の曲げた感じとは違う(ガイドの付
け方にも依るが数段柔らかくなる)ので、勘を頼りに選びま
す(笑)。釣具屋(マルハン)で購入。
- パイプ:ブランクの手元側を補強・延長するためのもの。
今回はホームセンター(カーマ)で購入したφ16グラスパイ
プ1mを使用。アルミや(加工が大変だが)ステンレスパイプで
も可。塩ビパイプは耐久性に難あり。(使えないこともない
と思うけど・・)
- リールシート:使用するリールや手の大きさに合わせて
下さい。釣具屋(フィッシング遊)で購入。
- グリップ:EVAのものを使用。自分のお気に入りのロ
ッドの外径をチェックして太さを決めます。内径外径長さな
ど種類が豊富なのでロッド製作の途中で購入した方が無難で
す。私は失敗した在庫が結構あります(泣笑)。
釣具屋(マルハン・フィッシング遊)で購入。
- グリップエンド:別にグリップ切り出しのままでも全く問題はない
ですが、重心調整機構(後述)を隠すのに利用。
釣具屋(フィッシング遊)で購入。
- ガイド:個別に揃えてもいいですが結構高く付くようです。私は40%
OFFセールを偶に行う某釣り具屋(上○屋)でセット物を購入し、合
わない・足りないものをフィッシング遊で買い足しました。
- ワインディングチェック:フォアグリップの上側、ブランクとの境目
の糸・接着剤のはみ出しを隠すもので機能的には必要ありません。
ナイショですが、私は前にM8ステンレスワッシャーを使いました(笑)。
今回は本物(?)を釣具屋(フィッシング遊)で購入。
- スレッド:もちろん釣具屋で購入していいのですが、私は手芸店で購
入しました(笑)。「丈夫な糸下さい」っておねーさんに聞いたら面食ら
ってた(笑)けど、親切に教えてくれました。ボタン付け用の絹糸が良い
ようです。ポリプロピレンの糸はエポキシ等をのせると毛羽立つので適
しません。手芸用の糸には滑りを良くする為にオイルが浸透しているの
で、アルコールに漬けてオイル分を飛ばしてから使用します。
百貨店(名鉄パレ)内の手芸コーナーで購入。
- 材料3 :
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他にあると便利な物。フィニッシングモーター、ピースコン、コンプレッサ、
ハンドラッパー、アルコールランプ、など。これらも揃えて本格的にロッド
ビルディングをする方は、このページを参考にしない方がいいかも(笑)。
- 作業1 ブランク塗装:
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無垢のままでもカッコイイ気もしますが、ホルツ社の車用ウレ
タン入りスプレーで塗装しました。ウレタンが入っていると塗
装がオイル等に犯されにくいので使いよいです。ぶら下げてう
すーくちょっとずつ何回かに分けて塗るのがコツです。色を塗
った後、霧吹きで溶剤をスプレーして全体を濡らしてから乾か
すとムラが目立ちにくくなります。こんなことすると色が曇る
という意見もありますが背に腹は変えられません。(笑)
- 作業2 ブランク補強:
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ブランクに補強用のパイプが重なる部分を何処までにするかは
曲げた感じから判断します。採寸出来たら重なる部分に凧糸を
丁寧に密巻きにします。ブランクはテーパーになっているので、
太い糸・細い糸を使ってパイプの内径に合わせます。
パイプにガタが無く入るように巻けたら 巻いた糸にエポキシ系
接着剤をたっぷり塗って補強パイプを固定します。
今回は作業性を高める為に、この時点でリールシートの位置、
グリップの長さを決め パイプを切断しました。パイプを切る際、
余裕を持って切り、後で微調整を行う様にすると失敗が少なく
なります。
- 作業3 グリップ取り付け:
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リールを持ってどの部分からロッドが曲がるかを好みで合わせ、
リールシートの位置を決めます。今回はリールシートの上端と
補強用パイプの上端を合わせました。
リールシートの位置が決まったら、今度は、自分の腕の長さ・
釣りのスタイル等に合わせてグリップの長さを決めます。
採寸できたらパイプの外側にエポキシ系接着剤を塗って、グリ
ップをシートの下側一杯の所まで差込み固定します。
<重要>パイプの外形よりグリップの内径が少し大きい方が
うまく行くようです。(同径のものを使って苦労しました。)
- 作業4 リールシート接着:
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ロッドを曲げる際、グラスソリッドだとあまり気にならない場
合も有りますが微妙に硬い方向があります。魚が掛かって曲が
る向きが一番硬い方向になるようにリールシートの向きを決め
ます。(スプライン出し)
リールシートの向きが決まったら、凧糸をシートの重なる部分
にリールシートがガタ無く入るように密巻し、巻いた糸にエポ
キシ系接着剤をたっぷり塗って固定します。
スプラインに付いては、いろいろ書いてある本もあります。
ただしソリッドグラスのブランクをジギング専用ロッドに使用
する場合、神経質に気にしなくても良い様に思います。
- 作業5 フォア グリップ取り付け:
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上記グリップと同様に市販のロッドを参考にしながら、自分の
腕の長さ・釣りのスタイルに合わせてフォア グリップの長さを
決めます。ここもグリップの重なる部分にエポキシ系接着剤を
たっぷり塗って固定します。ブランク上などテーパが有るとこ
ろは細めの凧糸で太さを調整すると良い様です。
- 作業6 ワインディングチェック取り付け:
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フォアグリップの上側、ブランクとの境目に適当に飾り巻きを
行いワインディングチェックをエポキシ系接着剤で固定します。
こういった小物の取り付け時は硬化時間の短いものでテキパ
キやると良い(と思う)。飾り巻きを凝りたい方はご自由に。。
スレッドの端の処理は、 こちら を参考にしてください。
- 作業7 ガイト取り付け:
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まずトップガイドをホットボンドで固定します。今回は曲がり
の調子がイマイチ気に入らなかったので、ティップを少し切り
落としてから固定しました。
他のガイドはテープで仮留めして
ロッドを曲げて見て美しくなる様に(!)配置します。市販のロッ
ドの配置を参考に等比配分してもだいたい良いみたいです。
ホントはある負荷を掛けた時のしなりを近似式で表し弾性係数を求めて
均等負荷になる様にガイドの位置を計算するプログラムを作ろうと思
ってたのですが、途中で面倒になって止めました(笑)
ガイドの固定には今回はダブルフットガイドという事も有りシングル
ラッピングを採用しました。ラッピングをしたら糸の上に薄くエポキ
シ系接着剤を塗ります。糸の凸凹が出なくなるまで、乾いたらまた塗
るといった行程を繰り返し行います。
- 作業8 ステッカー貼り付け:
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[重要]マンサーステッカーをカッコ良く張り付けます。(笑)
- 作業9 保護塗装:
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このまま完成にしても良いのですが、2液性ウレタンクリアで
ブランクとラッピング部分のコーティングを行い耐油性を高め
ました。ステッカーも剥がれなくなります[超重要]。
- 作業10 グリップエンド取り付け:
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グリップの下側を加工してグリップエンドを取り付けます。
この際ロッドの重心がリールの取り付け位置に来る様に糸
おもり・ハンダ(笑)・凧糸などで調整します。調整前に重心が
グリップエンド側にあった場合は・・・ご愁傷様です。
- 完成:
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使ってみましょう。想像した硬さとは違う筈です(笑)。何本
か作って極めるか、「まぁいいや」って使うかはその人次第です。
もちろん私は後者です!(笑)
全体的を通したコツとして、一回の作業時間を短く、乾燥行程は
長く、気長に作業を行う方が良いみたいです。
グリップ・ワインディングチェックは内径や長さ等が予定どおり
に行かない事が多いので、使う時に測って買う様にすれば余計な
在庫を持たずに暮らせます。
ロッドクラフトは、このページの記載事項を鵜呑みにせず
富士工業(株)のページなどを参考にして下さい。
これらの方が本筋です。(爆)
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